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2008年7月13日 (日)

『ぐるりのこと。』について(その2)

『ぐるりのこと。』について(その1)からの続き

この映画は素晴らしい。もちろん私個人の評価はすっごく高いです。

でも、この映画は、きっと誰でもが楽しめるといった類の作品ではないと思います。観客の想像力や感性に判断を委ねている部分が多く、個人個人の感情移入の度合いが大きく違ってくると思うのです。

たとえば、物語の上で重要な出産・子供の死のエピソードや、金屏風の前でのふたりで写真を撮る心温まるシーンなど映像化はされず、『何があって、ふたりがどう感じたか』といった部分はすべて観客の想像力にまかされています。

子供が生まれた喜び。そしてその子を失ってた想像を絶する悲しみ。映像がない分、その重さはすべては観客の思いによって決まってしまうことでしょう。

Dl_img2 ポスターに使われてる『金屏風の前で並んで撮った夫婦の写真』なんか、最初この映画のHPでみたとき意味がわからなくて「いくらなんでも、映画のポスターでこれはないでしょ」ってあきれましたもん。それが、映画の中で他人の結婚式の金屏風の前をたまたまふたりが通りかかるエピソードが描かれて、その後、部屋の写真立てになにげなくこの写真が飾られている…その意味がわかった瞬間、ふたりが写真を撮った時の情景がうかんできて、一気に涙がでちゃいました。この写真の木村多江のはずかしそうな固い笑顔は凄い説得力です。

そして、感じ方について思うのが数々の下ネタ。僕にとっては面白くて、微笑ましくて、100点でしたけど、不愉快に感じた人もいたようです。

引越しの手伝いに来てくれた友達と食事するシーンの床にこぼれた料理や、とんかつ屋『八千代』のシーンも単に不快に感じた人も多かったことでしょう。

そして2時間20分の上映時間。この長さは物語に入れなかった観客にとって苦痛以外のなにものでもないでしょう。逆にどっぷり感情移入してしまった人たち(私含む)にとっては、あっという間の2時間20分でした。

ホント受け取り方の個人差は大きいですね。

それでもそれでもこの映画は素敵です。私にとってこの映画はまちがいなく宝物になりました(^-^)。

余談…2回目見たとき気づいたのですが、映画のクレジットロールに『とんかつ八千代』って出たって事は、あのとんかつ屋さん本当にあるのですね(汗)。

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